第2回リトリートを開催しました!
2025年10月19日(日)から21日(火)にかけて、山形県鶴岡市の鶴岡市先端研究産業支援センターにて、第2回リトリートを開催いたしました。本会は、慶應義塾大学 先端生命科学研究所(IAB; Institute for Advanced Biosciences)と鶴岡市のご後援、庄内観光コンベンション協会のご協力、そして NTTプレシジョンメディシン株式会社・株式会社トライネット・株式会社g-theranostics・株式会社RyuWell のご協賛を得て実施いたしました。
本リトリートは、本学術変革領域研究に関わるケミカルバイオロジー・情報科学・有機合成の研究者が集まり、互いの研究内容を共有し親睦を深めるとともに、共同研究のきっかけを創出することを目的として企画されました。参加者は96名にのぼり、2件の招待講演、2セッションの企業紹介、6件の共同研究紹介に加え、6件の口頭発表と63件のポスター発表が行われました。
初日は4件の口頭発表の後、慶應義塾大学 IAB 所長の荒川和晴教授より、IABが鶴岡に設立された経緯、研究から生まれたスタートアップ企業、地域や高校生を対象とした活動など、多岐にわたる取り組みをご紹介いただきました。学生や研究者が自主的に発想・行動できる環境が整っていることが特に印象的であり、その雰囲気の素晴らしさを実感しました。続いて、IAB発のベンチャー企業として、株式会社MOLCUREの玉木聡志様、Spiber株式会社の中村浩之様、インセムズテクノロジーズ株式会社の平山明由様より、それぞれの企業での取り組みをご紹介いただきました。AIを活用した研究開発や製品展開、独自技術の紹介など、普段なかなか聞くことのできない貴重なお話を伺うことができました。また、世界最大規模の質量分析装置を備えた実験室の見学も行われ、参加者の関心がより一層高まったと思います。続くスポンサードセッションでは、協賛企業を代表して株式会社トライネット取締役・高橋正一郎様より企業紹介をいただきました。
その後、鶴岡市内のグランドエルサンに移動し、懇親会を開催しました。鶴岡市のご協力のもと、地元の美味しい地酒やIABが開発に携わったワイン、庄内の旬のお料理を楽しみながら、参加者同士の交流が大いに深まりました。
2日目はB班による2件の口頭発表に続き、京都大学大学院 医学研究科の奥野恭史教授に「AIは創薬を変革できるのか」と題してご講演いただきました。創薬プロセスをAIで加速する最新の研究に加え、創薬AI人材育成の取り組みについてもご紹介いただきました。特にB班の研究内容とも関連が深く、最後には「All JapanでAIにより創薬を変革する」との熱いメッセージで締めくくられました。
午後はエクスカーションとして、希望者が加茂水族館または出羽ノ雪酒造資料館を訪れました。加茂水族館ではバックヤード見学、酒造資料館では酒造りの歴史を学び、物産館で地元の特産品にも触れることができました。
その後、ポスターセッションを実施しました。今回は班間交流を促進するため、A/B/C班混在の8名グループを作り、まずグループ内での発表を行ってから自由閲覧する形式を採用しました。30分間のグループ内発表後、残りの時間を自由討論に充てることで、班を越えた相互理解と議論が活発に行われたことと思います。2セッションのポスター発表に続き、グループディスカッションを実施しました。班間(A–C、B–C、A–B)、班内(A、B、C)、および学生グループに分かれ、軽食を囲みながら意見交換を行いました。共同研究の進捗や課題、今後の展望などを率直に共有する場となりました。終了後は、鶴岡の街散策や会場前のホテル「スイデンテラス」での交流を通じて、親睦がさらに深まりました。
最終日は、現在進行中の共同研究紹介として6件の口頭発表が行われ、領域代表から今後の予定が共有されて、全プログラムが終了しました。
今回のリトリートでは、班員間の交流促進を重視し、学生も積極的に議論に参加してくれました。班を越えた活発な意見交換や共同研究に向けた議論が各所で見られ、領域内の連携がさらに強化されたと感じています。
最後に、鶴岡での開催をご快諾くださった荒川先生をはじめ、慶應義塾大学の渉外チームの皆様には格別のご支援を賜りました。地元の魅力を交えた数々のご提案とお手配に心より御礼申し上げます。また、本会を実現に導いてくださったスポンサー企業の皆様、そして細部にわたる準備と運営を支えてくださった事務局の皆様に、深く感謝申し上げます。
鎌田 真由美 (北里大未来工学部)






