化学選択的な精密変換による化合物資源の改変により、未知の生物活性クラスタ検証に資する情報を緻密化する!

丹羽 節

研究代表者
所属:九州大学薬学研究院 教授

研究概要

本領域が扱う化合物資源の多様性を拡張するとともに、潜在空間から提示される化学構造を有する多彩な化合物を効率的に合成することを目指し、全合成などの合成法とは相補的な手法として、複雑な化合物の直接改変に基づく化学合成法を創出します。このために、多数の官能基を持つ化合物において望みの位置を精密に改変する有機反応の開発に挑みます。具体的には、既存の生物活性化合物にユビキタスに存在する官能基を足がかりとする高化学選択的な有機反応を、遷移金属触媒や光エネルギーなどを駆使して創出します。これらを駆使して合成した新規化合物群の生物活性を評価し、潜在空間にフィードバックすることで、生物活性デザインのための新学理創出に取り組みます。

研究成果

  1. Zhang, A.; Niwa, T.; Watanabe, K.; Hosoya, T. Angew. Chem. Int. Ed. 2023, 62, e202302956.
  2. Niwa, T.; Tahara, T.; Chase, C. E.; Fang, F. G.; Nakaoka, T.; Irie, S.; Hayashinaka, E.; Wada, Y.; Mukai, H.; Masutomi, K.; Watanabe, Y.: Cui, Y.; Hosoya, T. Bull. Chem. Soc. Jpn. 2023, 96, 283–290.
  3. Niwa, T.; Uetake, Y.; Isoda, M.; Takimoto, T.; Nakaoka, M.; Hashizume, D.; Sakurai, H.; Hosoya, T. Nat. Catal. 2021, 4, 1080–1088.
  4. Niwa, T.; Hosoya, T. Bull. Chem. Soc. Jpn. 2020, 93, 230–248.
  5. Sakaguchi, H.; Uetake, Y.; Ohashi, M.; Niwa, T.; Ogoshi, S.; Hosoya, T. J. Am. Chem. Soc. 2017, 139, 12855–12862.
  6. Niwa, T.; Ochiai, H.; Watanabe, Y.; Hosoya, T. J. Am. Chem. Soc. 2015, 137, 14313–14318.