第1回 若手の会を開催しました!
2024年11月16日(土)に九州大学病院キャンパス(福岡県福岡市)にて、学術変革領域研究(A)「潜在空間分子設計」第1回若手の会を開催しました。本会は、11月17日から開催される第1回リトリートの直前に、主に学生および30代程度の若手研究者が集まり、互いの研究内容を共有するとともに親睦を深めることを目的として企画されました。本領域はケミカルバイオロジー、情報科学、有機合成の主に3領域を専門とする研究者が集まっており、各々の研究背景が全く異なることから、その壁を超えた理解と交流を実現できるかが課題だと考えていましたが、結果として後述のようにこの点は杞憂に終わりました。参加者は33名で、2件の口頭発表(依頼講演)と24件のポスター発表が行われました。
本会は代表の伊藤(東大)からの趣旨説明の後、林周斗先生(東京科学大)にまずご講演いただきました。タンパク質の分子設計、機能評価、機械学習を用いた解析とフィードバックを行う研究の中で、特に本会ではその情報処理等に関する取り組みについて、詳細な説明がありました。続いて岩月正人先生(北里大)から、大村天然物ライブラリーの背景と現状、これを支える組織について説明があったあと、独自に有する非常に多くのアッセイ系の中から代表的な研究成果をご紹介頂きました。いずれも多くの参加者から質問の手が上がり、議論が大いに盛り上がりました。会場を移動して開催した24件のポスター発表は、交流を深めるために時間を長めに設定し、多少の飲料を用意して実施しました。参加者の積極性が高く、ほぼすべてのポスターで議論が深まったことに加え、学術を通じた学生たちの交流が盛んに行われた点、特に異分野の研究に携わる学生に対する積極的な質問や議論がなされていた点は特筆すべきことです。その後の懇親会に当初欠席に予定だった学生が、飛び入りで参加することになったことが、本会の成果の一つとして認められると考えています。博多駅近傍で実施した懇親会においても議論や交流が盛り上がり、参加者が主体的に本会を活用したものと思われます。なお博多駅周辺の著しい宿泊費高騰のため、多くの参加者を懇親会後に北九州に移動して宿泊するよう誘導しましたが、これについても大きな問題は生じず、本会のプログラムは無事完了しました。
リトリートの円滑な進行と積極的な参加を目的とし、特に若手研究者を標的として若手の会を企画、運営しましたが、参加者には本会の意図をよく理解していただき、この機会を十分に活用して、異分野の研究者との繋がりが構築されたと考えています。今後のリトリート等の領域主催行事においても、初めて参加する学生や若手研究者がいることを踏まえると、第2回若手の会を開催する意義は十分にあると考えています。
伊藤寛晃(Organizer、東大院薬)・丹羽 節(Co-organizer、九大院薬)